大学、大学院時代そして社会に出てから合わせて15年近くひたすら海に潜り、生物採集そして観察の日々を送ってきました。北海道から沖縄まで全国の海で様々な生物の営みを調査し、彼らが進化の過程で勝ち取った特別な能力を目撃してきました。あの大海原でわずか100μm程度の大きさの極めて単純な構造のクラゲの仲間の幼生が、特定の共生種(巻貝)を微量なケミカルシグナルをたどって見つけ出し、そして着生、共生開始に至ったり、スポンジのような柔らかい体を持ちながら、外敵に補食されないように強烈な毒を共生している微生物に生産させていたり、更には、その毒入りのスポンジをあえて補食してその毒を利用して自分の身を守る生物がいたりと、海には、我々人間の想像をはるかに超えた世界が広がっています。
それら生物がその進化の過程で手に入れた驚くべき能力を人間の生活に役立てることができればどんなにすばらしいだろう、そんな想いでオーピーバイオファクトリーを立ち上げました。
日本は海洋国家であり、領海および排他的経済水域を合わせた総面積は世界6位と広大な“海”を持っています。この広大な海には我々人間が応用すれば有用なシーズが間違いなく多く眠っているはずです。陸域では手が届き易い分、応用が海よりも一歩進んでおり、医薬品、食品、化粧品、化成品と既に有用であることは証明されています。我々オーピーバイオファクトリーは、生物資源を利用して人間活動を豊かにする為の研究、商品開発を行なっているお客様に、その活動をサポートする商品、サービスを提供することにより社会に大きく貢献してきたいと考えています。
早いもので起業してもう18年が経とうとしています。ここまで来れたのも、社内外で支えてくれた仲間、投資家の皆様、そしてお客様との良い出会いがあったからだと思います。これからも皆様のご期待に添えるよう邁進して行きたいと考えていますので引き続きのご指導、ご鞭撻を賜わりますようよろしくお願い申し上げます。
代表取締役 金本 昭彦
2023年11月13日